前回はFF14がギスギスしていない理由を述べました。
今回は「旧FF14」について述べたいと思います。
この旧FF14の存在がFF14に対する誤解を生む最大の理由になっている気がしますが・・・順を追って解説します。
まず、FF14のことを知りたいと思っていろいろ検索すると、「動作が重い」「バグが多い」といった記事を見かけることがあるかもしれません。
それが今のFF14を指していることもありますが、その記事の日時を見てください。
記事が2013年8月以前のものであれば、その記事の言うFF14は「旧FF14」のことであり、今のFF14のことではありません。
今サービス中のFF14は新生FF14とも呼ばれていて、作り直された別物なんです。
このオンラインゲームを最初から作り直したということがまだまだ知られていないせいか、旧FF14と新生FF14の2種類が存在すること自体、全く知らなかったという人も多いと思います。
そこで、なぜ作り直すことになったのか、作り直してどうなったのかをまとめたいと思います。
旧FF14と新生FF14
旧FF14のサービス開始は2010年9月、新生FF14のサービス開始は2013年8月です。
この3年の間に旧FF14のサービスが開始され、作り直すという判断がされ、サービスが終了されたことになります。
なぜFF14を作り直すことになったかというと、単純に旧FF14はゲームをプレイできるような段階に達していなかったこと、作り直さない限り未来がなかったことが原因となります。
旧FF14はどんな感じだったのか
旧FF14と新生FF14はゲームの中身は違っていますが、ストーリーやキャラの設定などは受け継いでいます。
プレイヤーキャラクターも引き継ぐことができて、そういったプレイヤーのことをレガシープレイヤーと呼びます。
私はレガシープレイヤーではないので旧FF14のことは全て他から見聞きしたものしかないのですが、その中から旧FF14について信憑性が高いものを並べてみます。
【GDC 2014】旧『FFXIV』の失敗は『FFXI』の成功体験から来た慢心や映像偏重主義。吉田プロデューサーが語る『FFXIV』のこれまでとこれから
・グラフィックはすごい
・しかしグラフィックに拘るあまり、ゲームプレイのしやすさに対する配慮がおろそかになっていた
・グラフィックを重視するためプレイヤーキャラの表示数を減らしていた(オンラインゲームは他のプレイヤーと交流することが一番大事なので、キャラの表示数を減らすということはオンラインゲームをしているという実感を大きく減らすことになる)
・どの場所もグラフィックのデータが多くなっているため、全体的にゲームが重い
・高度なグラフィックを表示するため、パソコンも高性能なものが求められた(つまり、普通のパソコンを持っている人がプレイしようとするとパソコンの能力が足りないため、プレイヤーの体験としてゲームが重くなる)
・オンラインゲームの知識に疎いスタッフが多かった
・オンラインゲーム特有のスケジュール管理がうまくいかず、バグを残したままサービス開始してしまった
こういったことが旧FF14で起きていました。
バグの多さ、UIを変更するたびに発生するロード、そういった様々なストレスを感じる要素があり、とてもゲームをプレイできる状況ではなかったそうです。
ただ、全くダメだったかというとそうではなく、イベントシーンのきれいさや冒険感などを評価する声もあり、旧FF14におもしろさを感じていたプレイヤーがいたことも事実です。
しかし、やはりゲームとしてプレイできないというのは致命的であり、多くのプレイヤーが失望してしまったこともまた事実だと思います。
新生FF14へ
さて、ここからFF14を作り直すことにつながるのですが、この内容を書こうとするとそれだけで記事がいくつにもなってしまうので、今回はさらっとだけ書きます。
旧FF14が失敗したことを受け、開発スタッフが変更されることが発表されます。
そこで現スタッフであるプロデューサー兼ディレクター吉田直樹を始め、コアメンバーが旧FF14を今後どうしていくかを判断するための調査を行いました。
そこではFF14を新生させるという発想はなく、最初は旧FF14をどう立て直すかが争点だったと思います。
しかし、調査の結果、この旧FF14を続けていてもダメだという結論に達します。
そのポイントは3つです。
・プログラムやサーバーの考え方や構成を根本的に変える必要があった
・旧FF14のサービスを終了させることができなかった
・当時のプレイヤーの評価を下げることができなかった
まず、旧FF14はゲームが重く、修正というレベルの対応では完全に治すことができませんでした。
CF(コンテンツファインダー)もなく、プレイヤーの参加を増やすにはもっとサーバーの段階からプログラムを考え直す必要があり、このゲームを何年も運営することはできないという判断があったのです。
それから大事なのがFF14に対する評価です。
当時の旧FF14は失敗作だという印象でした。
もしこのままFF14のサービスを終了すれば、FFのナンバリングタイトルである14は失敗だったという評価のまま終わることになり、同時にFFのブランドも終わります。
FFとしても会社としてもこのままFF14を失敗だったというまま終わらせることができなかったのです。
しかし、たとえ旧FF14をバージョンアップさせて改善したとしても、とても成功という評価へ覆すことができない。
だったら作り直すしかないというのが、現開発陣の結論でした。
ただ、作り直すにしてもサービスを終了させるわけにもいかないし、かといって旧FF14を放置したままだと当時のプレイヤーの評価をどんどん下げることになってしまう。
そのため、旧FF14は新生FF14がリリースされるまで、どうにか遊べるように改善されていったのです。
つまり、新生FF14は旧FF14もバージョンアップしながら、同時に開発してリリースするという前代未聞のやり方によって作られたのです。
根性を入れて作らないとできないことから旧FF14が根性版と呼ばれているのもそのためですね。
そうして新生FF14が作られていったのです。
新生FF14でどうなったか
今のFF14はプレイのしやすさを念頭に入れて作られたので、かなり快適にプレイすることができます。
・旧FF14に負けないくらいのグラフィック
・動作のしやすさ
・使いやすいUI
・定期的なパッチ間隔
旧FF14で見られた問題をいろいろ解決しています。
どれくらい変わったかは言葉では分かりづらいと思うので、動画で。
旧FF14 初期ウルダハでのプレイ動画 (旧FF14)
↓
ある日のウルダハ (新生FF14)
これはどちらも同じウルダハという町の映像です。
上の動画は店の前で製作用アイテムを買おうとしている様子のようですが、ロードがあまりにも遅いため、店員のNPCや他のプレイヤーがしばらく経ってから表示されていることが分かると思います。
下の動画はあるシーズナルイベント中の映像ですね。
このイベントはモンスターに変身する特殊なイベントだったので、多くのプレイヤーが行ったり来たりしています。
普通の町の様子ではありませんが、逆に言えばこれだけのプレイヤーが移動していても処理落ちなく表示できていることが分かると思います。
まとめ
・今のFF14は最初から作り直されたもので、旧FF14とは別物
・旧FF14を何年も運営できないという判断から新生された
・現在のFF14は動作の重さなどが改善されている
この記事の内容や動画などから、旧FF14と新生FF14はいろいろな面が違っていることが分かると思います。
もし旧FF14のイメージを持ったまま今のFF14を見てしまっていたのなら、一度体験してくれたらと思います。
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